2017年9月10日開催 まんがスクール大会in東京 アフターレポート!
2017年9月10日開催のまんがスクール大会in東京にて、目黒あむ先生&川端志季先生の講演会が行われました!
作風のまったく違うおふたりですが、同い年ということもあって講演会は話が弾んで大盛り上がり!その模様の一部をレポートします!
Q:デビューまでの道のりを教えてください。
高校1年生が初投稿でした。19歳まで投稿して、3年間やめていて、22歳のときに3年ぶりに投稿した作品でデビューしました。
投稿ペースは1年に1回くらいで、5作くらいかな?
初投稿がBクラスで、次は、今はないんですけど、期待賞+激励賞。でも4回目で期待賞に落ちて、5回目でさらにAクラスに落ちたんです。
そのときに何を描いていいか分からなくなって、まんがを描くのが楽しくなくなっちゃって…それで結果的に3年間空いてしまいました(笑)。
担当さんがついたのはデビューしたときです。
別マに投稿する前に青年誌の先生のところでアシスタントをしていて、青年まんがを描いたことがあったんです。
その作品は他社の雑誌に投稿して準入選だったんですけど、デビューできなかったんです。でも連載コンペに参加させてもらえたので1年くらいネームを作っていたんですが、なんでまんが描いてるんだろうっていう時期が訪れて…。
それで別の仕事についたんですが、やっぱりもう1回描いてみようかなぁと思って。何が描きたいか分からないけど、戦いとかじゃなくて人の気持ちを描いてみようと思ったら、自然に少女まんがになっていました。
とりあえず別マに持ち込みしたら担当さんがついて、デビューに向けて作りましょうという目標ができたので、1か月に1本16pを投稿して、2か月目でデビューできました。
Q:読みきりのお話はどうやって作りますか?
まず「こんなキャラが描きたいな」から始まります。
例えば、「元気な男の子が描きたい」だったら「相性が良いのはどんな子だろう?」と女の子のキャラを考えて、そのふたりを頭の中で対話させます。それで「こういうシーンが描きたいな」というのを考えて、大まかなプロットを作ります。
担当さんのOKが出たら、セリフとモノローグと「どこで何をしているか」を全部文章にした本プロットを作って、ページを割ってネームにします。キャラ表は作りません。
私はまず「こういうことあるよね」という気持ちを探して、それをどういうキャラに言わせるか、というところから考えます。
一言でも主張のあるキャラって、16pなら結構もつんです。
私もキャラ表は作らないです。できるだけ絵を描きたくないので(笑)、ネームに起こすギリギリまでプロットにするタイプです。プロットについては、脚本の書き方みたいな本をすごく読んでいますね。
Q:お話のアイデアはどこから考えますか?
日常生活で妄想することってあると思うんです。原型をとどめていなくても、その妄想が自分のアイデアになっていきます。
例えば、電車の中で前にいるカップルの会話の続きを自分で考えてみたりとか(笑)、映画を観て、自分だったらこうするとか。そういうのをストックしていきます。
私はキャラありきなので、基本的に王道で良いと思っているんです。
少女まんがで使い古されたエピソードでも、キャラが違えば印象が変わると思っているので。だからまず王道から引っ張ってきて、そこからキャラに合わせてエピソードを作ります。アイデアが出ない時は、ふてくされる(笑)。
Q:キャラクターはどうやって考えますか?
「ハニー」の鬼瀬くんは、「自分がやられたら気持ち悪いな」というところから始まりました。
知らない人に花束持って「結婚前提のお付き合いさせてください」って言われたら、すごいいやだなと思って(笑)。あとはギャップ!
どのキャラを描くときも、絶対ギャップは入れようと思っています。例えばオレ様キャラだったら、オレ様なのにダサい部分があるのがかわいいかなって。主人公は、自分が憧れる子を好みで描いています。
私は本当にキャラを作ることが苦手なので…。ひとりのキャラではなく、必ずふたりから3人で作ります。
ひとりキャラを思いついたら、その子と真逆の子を、とりあえず頭の中で絡めさせてみたり話をさせてみたりして、バランスを見ます。
同じ意見を持っている者同士のお話はつまらないし、やっぱり対立したほうが面白いので。その子たちが、自分の考えたストーリーに嵌ってくれるかどうか、というところを考えます。
Q:キュンとするシーンはどうやってつくりますか?
恥ずかしがらずにやる!
そうそう!
あと、伝えようとする姿勢は大事だと思います。
「私はこの男の子のこういうところをかっこいいと思うんですけど、キュンとするんですけど、どうですか?」っていう姿勢でいかないと。
自分がかっこいいと思うからポーンといれても、読者は気づかないんですよね。大げさなくらい丁寧に描いてあげないと、素通りされちゃいます。
男子の行動とかじゃなくても、キュンとするポイントってあると思うんです。
例えば、男の人の後頭部やうなじとか、腕の筋とか、目で見てキュンとする部分。具体的な行動が浮かばないんだったら、静かなシーンで、男の子のそういう部分を見ている描写を入れてみたりとか。
自分が男の人のどこにときめくかなっていうのを考えるのが良いかもしれないですね。
Q:コマ割りで意識していることはありますか?
私は1pに5~6コマないと落ち着かなくて、多いほうなんです。
基本は断ち切りいっぱい描くんですけど、その中で、一コマでも基準枠に合わせたコマがあると見やすい。コマとコマの間も「間」だと思っているので、全部つなげて描くのは嫌なんです。
あと、コマを詰めるところは、見やすくするためになるべくセリフを少なくしています。
▲例えばこちらのコマ! 断ち切りの絵の中で、基準枠に合わせたコマがあると「間」が生まれて見やすくなります。
ネーム1回で完成させようとはしないです。
見開きや前後のページでコマがかぶってないかも考えなきゃいけないので、1回のネームでセリフも流れもテンポも全部見ていたら混乱してしまう。
1回目のネームはとりあえずテンポだけ見て、2回目でどのコマが重要かを考えて、3回目で吹き出しがちゃんと目の通るところにあるか、余計な位置にないかを考えます。
Q:見せ場のコマ割りはどう意識していますか?
見せ場は、なるべく引きがあって、めくったページで思い切り大ゴマを使います。
そうならなかった場合でも、コマが小さくてもそこに入る絵がすごくアップだったら印象に残ると思うので、その兼ね合いかなと思います。
プロットの段階でページ配分を決めているので、見せ場は見開きとか、余裕をもってページを取ります。
Q:印象的なモノローグやセリフはどう考えていますか?
モノローグは分かりやすく、小学生の子が読んでも分かるように書いています。同じことを言っていてもキャラによって言い回しが変わるから、それを意識したら良いのかな。
あと、語順も大事です。言っていることは一緒でも順番を変えてみたら印象が変わるので、色々やってみるといいかも。
見せ場は盛り上がるからあまり引っかからず会話が進むんですけど、そこはあえて、他にうまい言い方がないかなって立ち止まって考えます。
でも浮かばない時もあるんですよね…。そういうときはしょうがないので、最初に考えたセリフを使うんですけど。
Q:絵柄についてアドバイスをください!
何かを参考にするのも良いと思うんですけど、一回バランスこうかなって参考にしたあとに、そこからさらに自分で詰めていくのが大事かなと思います。流行りの絵柄を知っておくのは大事です。
デビュー前は「人の真似をするなんて悪」みたいに思っていて、それをずっと引きずっていたのを後悔しています。絵柄がかわいい人とか上手い人とかは真似したほうがいいんです。
模写は大事だよね。最初似せて描いていても、描いているうちに自分の絵になっていくんだよね。
ひとりの作家さんじゃなくて複数人の模写をして、その中から自分の好きなところを取り入れるっていうのは良いと思います。
Q:画力向上のためにしていたことはありますか?
私は筋肉の勉強をしました。筋肉が分かると、しわの描き方が分かるから。しわって結構逃げがちだけど、しっかり描くと、それだけで絵が上手に見えると思います。
今でもできるだけ資料を集めるようにしています。手を描くときは写メ撮ってみたりとか。そういう面倒くさいことから逃げないっていうのは、読みきりを描いていた時以上に今もやっています。
制服のシャツやカバンも、ずっと連載していたら描きなれるんですけど、絶対見て描くことにしています。見ないと、どこかで自分の手癖になっちゃうから。
自分の絵に自信がないっていう人は、なるべく見て描いたほうが良いと思います。
▲当日は先生方による実技演習も!皆さん真剣に見入っていました。
目黒先生、川端先生、どうもありがとうございました!- ◇2020.08.22 オンライン大会 咲坂伊緒先生(後編)
- ◇2020.08.22 オンライン大会 咲坂伊緒先生(前編)
- ◇2019.07.27 in東京 咲坂伊緒先生&木内ラムネ先生講演
- ◇2019.02.09 in博多 幸田もも子先生&水野美波先生講演
- ◇2018.09.09 in東京 咲坂伊緒先生&オザキアキラ先生講演
- ◇2018.04.07 in札幌 河原和音先生&椎名軽穂先生講演
- ◇2017.09.10 in東京 目黒あむ先生&川端志季先生講演
- ◇2017.03.04 in大阪 咲坂伊緒先生&オザキアキラ先生講演
- ◇2016.11.06 in東京 幸田もも子先生&水野美波先生講演
- ◇2015.08.08 in東京 咲坂伊緒先生&川端志季先生講演
-
河原和音先生
-
木内ラムネ先生
-
椎名軽穂先生
-
目黒あむ先生