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2020年8月22日開催 咲坂伊緒先生 まんがスクール オンライン大会 アフターレポート!(後編)

8月に行われた、オンラインスクール大会。参加者のみなさんからの質問と講師・咲坂先生の答えの一部を公開!
後編は「絵・心構え」についてです。

Q:顔のパーツのバランスがうまくとれません。
私もよく左右で位置がずれてしまうので、目の端から顔の輪郭までのミリ数を定規で測ったりします。自分の描く顔はなんでこんなに古臭いんだろう?と思った時に、今っぽくていいなと思う絵を見たら、目とか鼻とか顔の「具」が下に寄っていたんですよ。鼻のあたり、中顔が短いというか……。なので今も私の描く顔は下に寄っていると思います(笑)。
▲『思い、思われ、ふり、ふられ』第40話より。バランスのとれた由奈の顔。「具」は下に寄っている!?
Q:顔と体のバランスをどうとったらいいですか?
まず、その人が何頭身かを決めます。少女まんがだと大体7とか7.5頭身から8頭身くらいまでですかね。頭を7.5個分描いてみて、足は長めで半分くらいのところに股下が来るように、とアタリをとります。ロングで小さく全身を描く時ほどやるようにしています。
Q:咲坂先生のように、繊細な感情を繊細な表情で描くには?
実際に誰かと会って「今、本当はムッとしているな」とか感情がわかることがありますよね。ちょっとした顔の筋肉の動きでそう感じるのだと思うので、鏡で自分の顔を見て「悲しい時は眉毛のここにしわが入るんだな」とか思いながら描きます。見て描いたほうが早いんですよ。手とか服のシワとかもそうですが、鏡を見たり写真に撮ったりして描いているうちに、パターンが蓄積されていくのだと思います。
Q:絵を練習するいい方法があれば教えてください。
私はクロッキー教室に通っています。「1分以内に」とか制限の中で的確に形をとる練習をするので、教室に行った後の数日は絵を描くのがラクになっているんですよ。向上心からとかではなくて(笑)、時間を短縮するために今でも通っています。クロッキーの本を参考にしてもいいと思いますが、できれば立体を紙に落とす練習をしたいので、協力してもらえるなら家族に1分間ポーズをとってもらって描いてみるのもいいと思います。あと、ただ描くのではなく、自分の苦手なところを意識しながら練習するのが大事だと思います。
Q:男の子をかっこよく描くには?
うーん……かっこよくなれと念じる(笑)! でも絵そのものというより、お話がよかったらかっこよく見えるのかなと思います。あとは、手をゴツゴツさせるとか、肩をとがらせるとか「骨っぽく」というのを意識すると男の子らしくなります。
▲『ふりふら』第40話より。お父さんの服をつかむ和臣の手。ちなみに「この動きも実際にやって、写真に撮って描きました」(咲坂先生)
Q:新人時代、苦しかった時をどう乗り越えましたか?
「次の作品ではこの失敗をしない。これより良くなっているはず」と考えて進んでいくしかなかったですね。その繰り返しでした。
Q:投稿者に伝えたいことは?
基本的には自分が描きたいこと、自分がおもしろいと思っていることを描くのが一番。それを独りよがりにならずに、みんなにもおもしろいと思ってもらえるようにチューニングしていくのかなと思います。(投稿作の中に)たまに「まんがってこういう感じ」という「まんがのまんが」になっているものがあって……その中に、自分が描きたいことが入っているか、というのは毎回確認してほしいなと思います。
(取材・構成 門倉紫麻)